2月27日

私はずっと、自分の家族のことを家族と思えずに過ごしてきた。正欲という本の中に「地球に留学しに来ているような感じ」というような趣旨の文章があったけどまさにそういうような形で、どちらかと言えばホストファミリーのような感覚に近いような気がする。誰も信用出来ない、頼れない、甘えられない。そんな中で生きてきた。

 

そんな私にもようやく、本当の家族が出来た。ずっと飼いたい猫をようやくお迎えしたのだ。猫に関する権限は全て私、世話も全て私だ。その分責任は重たいけれど、みんなに「この子のお母さんなんだから」と言われると何故か幽霊のようだった足が急に輪郭を表して地についたような気がした。ずっと死と生の淵をさまよっていたけれど、この子を抱いた時に急に雲の切れ目からキラキラと光が差した感覚があった。生きなければいけない、と本当に、初めて思った。

 

この子の名前は「あめ」。猫を飼ったらずっとこの名前にしようと決めていたけれど、まさかお迎えの日も「雨」で「飴」色の子をお迎えするとは思ってもいなかった。これもきっと縁なのだと思う。

 

私は私を大切に出来ないが、あめを通して自分の事を大切にして欲しいとも言われた。

実現出来るかどうかは分からないけれど、この温かい気持ちのままずっと過ごせたらいいと思う。

時点は何も好転していないけれど、私にも私だけの家族がいると思うと今までひんやりと固かった心が柔らかく解けていくような気がする。もう痛みを持つほどの冷たさでなくなった時、私は本当の意味で私を大切にできるのだろう。私だけの家族もいる。

あめと二人、慎ましやかに幸せになれたら良いと願う。今日は、その意思表示の日記。

よろしくね、あめ