今日はずっと楽しみにしていた、退院後初登校の日だった。やっと普通の人に戻れる、講義の遅れを取り返せる、先生に会える、どうにかなる……そんなことを思って眠ったけれど、現実はそう上手くは行かず、朝になったら体が動かなくなってしまった。
どうしても行きたかったのにと、一日中ずっと沈んで泣いていた。土日は外に出れたのに、甘えなのかなんなのか私にはもう分からない。食欲も失せて、せっかく最近毎日三食食べて生活リズムを整えていたのに、水すらも飲めなかった。
夕方になり母が帰ってきてからもずっと涙が止まらなくて、とにかく話をした。
わたしはずっといらない子だったのでは無いか、これから楽しくなるはずだった母の人生を邪魔しているのではないか。こんな娘、いなかった方が……一度口を開いてしまえば、もう止まれなかった。母は私が入院中、本当に心配してくれたことが身に染みてわかっていたはずだったのに、言ってはいけなかったのに、もう頭の中が滅茶苦茶だった。大学に行けなかったことで焦っているのを感じたが、不安を口に出してしまわないと腹には留めておけなかった。
結果として、それらは全て勘違いだったことがわかった。母は私を恨んでなかった。それは良いことだったが、次に今まで私と関わってきた人に意識が向いた。もう今は連絡の取れない大好きな人たち。その人たちとの楽しかったときや約束を思い出しては、寂しくて寂しくてどうしようもなくなってしまった。
不穏になる病気だと言われても私は病気だという自認がないから、とにかく不安で仕方ない。この訳の分からない不安が私を蝕む間、本当に気が狂って死にそうになる。いっそ殺して欲しいくらい苦しい。仕留め損なわれた虫のような気持ち。心が脳にあるなら、頭を仕留めればいいのか。もう訳が分からない。病院から出てくるべきではなかったのかもしれない。私は私を過信し過ぎていた。
もっともっと楽しい話をする日記だったはずだったのに、私はいつからこうなってしまったのだろう。誰も私を見ないで、軽蔑するくらいなら関わらないで。箱に閉じこもってしまえばいい。もう、寂しくも苦しくも辛くもならないで、白い病室の箱庭で死んでしまいたい。救いを見いだした私が愚かだった。そうだった、私の世界ってこんなに恐ろしかった。だから壊したかったんだ。
雨が降っている。窓を見つめて四肢を投げている。雨の日は夜が長い。助けは来ない。私は私を許さない。雨が一生降っていればいい